私の職場
はい。こんにちわんこそば。
今回は過去問のおさらいをしてみようと思う。
というのも、私の職場の ならずものども 弟子たち(以下ならずもの)18人。年齢も18歳~50代とまばら。めでたく2016年中に17人は合格できた。掛け算の九九もよくわからんのも2~3人いる。まぁ町工場のヤンキー崩れのようなドアホウどもがQC検定3級に合格した時、私はメガシラが熱くなって泣きそうなくらい嬉しかったのを覚えている。まさに感無量とはこういう事かと。
「おまえらもやればできる!」
そう言ってやりたいのだが、なにぶん「スクールウォーズ」のように、私も奴らも純粋ではない。一枚岩ではない。利益のある方になびく。一時の感動も次の瞬間には疑心暗鬼に変わっている。人間そんなもんでしょう?綺麗ごと抜きに。
とはいうものの、やはり愛情は捨てきれん。あのならず者どもでも職場での機械オペレーターとしての「技術力」は相応につかんでいる。いわゆる「カンとコツ」というやつだ。
まず興味をもってもらわんことにはどうしようもない。
こんな事もやった
→【超初心者】QC検定3級 ③【裏技でもとにかく合格すればいい】
その昔、私がリーダーとして「現場」に赴いた時は
「ああ、なんか机のヤツが来た」と
拒絶反応が非常に解りやすいくらい態度が冷たかった。
私もそれなりには努力したのである。
「現場」での機械オペレーターとしての「腕」を身に着ける為に日夜特訓した。
今ではまぁ、そこそこ機械をいじれる程度にはなったのだろう。
そうなる過程で、ヤツラとは最初会話すらなかったのだが、やはり
「同じ境遇の中」の仲間意識というものが構築されていき飲み会なども皆で行くようになった。
疑問に答える
ここまできてやっと
「同じ土俵で話ができる」
のである。
私の職場は、製造業でモノズクリというものをしている。
各オペレーター個人で担当が決められているが、だいたい同じような事をしている。
さっきも書いたが、ヤツラの基本は
「カンとコツ」
である。
当然、不適合品ばっかり造るヤツ、良品率がスゴイヤツ、色々いるのだが、それが「腕」なのか「マシンの性能」なのかもよくわからないまま、というより気にしないで長年やってきている。
昭和か?!と思う程テキトーである。いまどき、こんな境遇の人はいるだろうか?
そして、同じ事を違うマシンでやっている場合、A君とB君で合格率が顕著に違う。
こういう場合、「腕」なのか?「マシンの瀬能なのか?」という部分を私は分析したわけだが
基本職人気質の人間というのは
「核心の部分は言わない」
という傾向がある。
それは、自分がNo1でいる為の、ある意味防御装置のようなもので、全員で共有すれば会社的には大きな発展なのである。
それを引き出す為の「人間としてのやり取り」は割愛するが(リクエストがあれば別途記す)
「腕」に大差ない者がマシンによって合格率が著しく違う。治工具もバラバラ。そんな時に私が検証したのが
実験計画法(直行表)や重回帰分析である。
結果、なぜ特定の人が合格率が高い、低い、という「謎」は解けて、今では全員でその知識を共有しているわけだが、そこへたどり着く「まで」が大変なのである。
机の上でデータを見ているだけでは決してわからない「カンとコツ」をいかに聞き出すか。
極論を言えば、「ウソ」を言われたら、データなんかは全くアテにならない。
これは重要だ。大手などではこんなことは起こらないのだろうが、中小企業というのは、先程も書いたが、各オペレーター(職人)が「自分のステータスを守るため」のヤツラなりの工夫はしている。その工夫の一つに「ウソ」、というより出し惜しみである。
こういったものを引き出す事ができれば、全員の共有財産になり、結果全員の給与に反映される。
つまり、ロスコストの削減に大きくつながるわけだが、明らか削減されているのに給与面で反映されないのであれば、それは経営側の失態である。
財務上、給与に反映されない場合もあるだろう。その「説明」が有るか無いかで「職人」の態度は180°変わるのである。
話が長くなりそうだが、続ける(笑)
今ではヤツラも私の言う事はとりあえず何でも聞く。
それは
「なぜこの場合こうなのか?ダメなのか?良いのか?」という事を説明できればOKである。
私が初期の頃、実験計画によって得たデータから「優秀なナラズモノ」がやろうとしている事に対して、上手く行く、ダメだろう、という予測を8割以上の確率で的中させまくる。
繰り返しになるが、当然これは有る程度「うちとけてから」の事である。いきなり「机の人間」がこういう指摘をしてもまったく逆効果なので、ここは注意が必要だ。
そして、世の中「物理現象」を無視した事は絶対に起こらない。上手く行った事も、ダメだった事も必ず「理由」がある事を理解させる。
一旦はここまでにしよう。
次に本題の過去問の一部をやってみよう。
データの種類
データ | [ 1 ]データ | [ 3 ]データ 重さ、長さ、時間、温度などのように量の単位があり、計測器で測って得られるデータであり、連続量である。 |
[ 4 ]データ 不適合品数、不適合数、事故件数などのように数えて得られるデータであり、不連続量である。 | ||
[ 2 ]データ | ||
その他のデータ(順位 等) |
いがいと、これが良く分からないという人は多い。我が社のナラズモノどもも、コレがよくわからんヤツは多い。
というのも、テキストの説明が「仰々しい」のだ。回りくどく難しくさせている。
単純に
計量値=「測るもの」
計数値=「数えるもの」
これだけ。
例えばテキスト等では計数値の説明を
「離散的な値しか取り得ない値でうんぬんかんぬん」
と書いてたりする。
ならずものどもからすれば、最初の
「離散的」
の文字でOUTだ。もうこの文章は読まないだろう。
だから
私:「体重は?数えるか?測るか?」
A君:「はかる」
私:「じゃあ計量値じゃねーか。それだけの事だ。」
B君:「売上は何で計数値だよ。集計するんだから計量値じゃねーの?」
私:「ほー、そう言われればそんな気もするなぁ。
で
売上は、測るか?数えるか?」
B君:「数える」
私:「じゃあ、計数値じゃね?」
B君:「・・・・・まぁ、うん」
私:「こまけー事ぁいいんだよ!心を広く持て!何も考えるな!全てを受け入れろ!純粋に考えろ!それでこの4点はおまえのものだ!」
と、半ば洗脳のような教育をしている。今はこれでいい。自分なりに考えて、理解して、納得して、次のステップへ向かってくれる姿に私は涙する。
あ、ちなみに答えは
1=「数値」
2=「言語」
3=「計量」
4=「計数」
ですね!。
まぁ、話が超絶長くなったが、私の職場はこんな感じで徐々にQC検定を浸透させているのだが、しばしば私が言うのは
「QC検定なんぞに夢中になるな。あんなもん何の役にもたたん」
と、よく言う。逆に興味を持ってもらえるという利点もあるもだが、事実、内容を理解していなければ、合格しただけで全く普段役にたたん。
しかし、理解さえすれば、私のように「製造の予言者」になれる。
(※多変量解析:実験計画法や回帰分析・主成分分析などを用いるわけだが、そういう話はしないようにしている。聞いてくるヤツには少し話す(笑))
だから、ウチの試験に合格した「ならずものたち」は、たかが3級といはいえ、内容を理解しようと努力をしている。理解度は別として。今はこれで良いと思う。
もし、これから真剣に受験したい似たような境遇の人がいれば
こちらも参考にしてほしい→【超初心者の裏技】QC検定3級【合格までの計画プラン】
是非頑張ってもらいたい。
ありがとうございました。